オーステンパー
オーステンパー

900~950℃に加熱した製品を300~500℃まで急冷し、その状態で一定時間保持することで通常の焼入れ組織に比べて耐衝撃性に優れたベイナイト組織を得る処理方法です。
通常の焼入に比べて温度変化が小さいため製品の熱変形も低減されます。
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技術の特長
・熱処理による歪の発生を低減でき、また引っ張り強さ、伸びの優れた製品にすることが可能
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対応実績(部品)
高炭素鋼の薄肉部品
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対応可能工場
ADI
球状黒鉛鋳鉄(ダクタイル鋳鉄)を所定の温度に加熱後、ソルトと呼ばれる媒体で冷却することで、一般の鋳鉄と比べて非常に高い強度と粘り強さを付与します。
鋳鉄は鋳型に流し込むことで成形するため自由な形状にしやすく大量生産にも向いていますが、多量の炭素を含むため脆く、強度面で鋼鍛造品に劣ります。
しかしADI処理を行うことで鋼鍛造品にも劣らない高い強度を得ることができます。
金属組織及び処理条件

【処理前】
基地:パーライト+フェライト


【処理後】
ベイナイト組織(×400)
高い引張強さと伸び(SCM440調質鋼と同等)
機械的性質比較

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技術の特長
・安価な鋳鉄製品の高強度化
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対応実績(部品)
球状黒鉛鋳鉄(カプラー、アイドラ、スプロケットなど)
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対応可能工場
マルテンパ(マルクエンチ)

900~950℃に加熱した製品を通常の焼入組織が生成し始める温度(Ms点)の前後まで急冷し、その状態で製品全体が均一な温度になるまで保持したのち、空冷する処理です。焼入組織の生成が緩やかかつ均等に進むため熱変形や割れを軽減することができます。
熱処理ひずみの安定

表面・内部ともMs点直上にまで冷却しその後ゆっくりとマルテンサイト変態を生じさせることにより、熱処理ひずみが安定します。
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技術の特長
・変形を極力抑えた熱処理
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対応実績(部品)
ベベルギヤ、ピニオンギヤ
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対応可能工場